Peter Handke: februar 2006アーカイブ

マリボルの街のたたずまいは、地理的・歴史的に言って当然かもしれないが、リュブリャーナなどよりもオーストリア南部の街に似ている。ドイツ語も(ありがたいことに)おそろしくよく通じる。スロヴェニア北西部と違って、国境を限る高い山がないせいもあるだろう。イェセニツェからの列車が長いカラヴァンケ・トンネルを抜けてオーストリア側に出るのに対して、マリボルからグラーツに向かう列車はいつのまにか国境を越える。オーストリアのほうがこころなしか針葉樹が多いといった違いだ。

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ぼーっとしているうちに、リュブリャーナにいられるのもあとちょうど1ヶ月ほどになってしまいました。スロヴェニアやスロヴェニア語の勉強を細々と続け、残りの時間をどう使おうか、そろそろ帰国時の荷物をどうするか考えなければいけないな、などと思案し、子供のためのケケッツ・シリーズの翻訳を続けながら、こちらで片付けるつもりだった(ShimKさんふうに言えば)D書の翻訳を今頃になってせっせとやっていたりします。

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D書というのは実は例によってハントケの作品なのですが、ハントケにとって言葉が事物に対する目を開いてくれるということは一貫して重要なことであって、かつて拙訳で出した『反復』でもそれは同じ。そこでは、ことにスロヴェニア語の単語が、主人公に周囲の事物を見えさせてくれるということが重要なポイントになっています。ハイデガー=現象学ふうのジャーゴンで言えば、アポファイネスタイというやつ。

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