ヴァイオリン(ヴィオラ)の左手首は下腕からほぼまっすぐで、手首が楽器本体よりに曲がってしまってはいけないことになっている。
これは、初心者がもっとも陥りやすい「悪いクセ」の一つ(僕もかつてこれを直すのに苦労した)。これだと左手のフレームががたがたになって、音程がなくなる。ヴァイオリンを習い始めた人は、多くの場合、第一ポジションの次に第三ポジションを学ぶのだけれど、そのときにこのクセが付きやすいから気をつける必要がある。(第三ポジションの前に第四ポジションを、それによってポジション移動を教えたらいいのではないかと思う。第四ポジションだと、楽器のボディにぶつかるので、手首が曲がる余地はない。)
しかしまた、基本はあくまでもその通りだとしても、手首は絶対にこのように曲がってはならない、というのもまたウソではないだろうか。三度の和音を押さえるときは、第三指、第四指が低い弦に置かれる。ほかのたいていのパタンと違って、三度のときは、例外的に、手の小さめな人であればことさら、この「誤り」とされる形に近い形を意識してとる必要があるのではないだろうか。むしろそのことによって三度音程は安定するのではないだろうか。
(図は、Annemarie Jochum "Geige spielen. Ein Ratgeber fuer Liebhaber" Baerenreiter, 1994 ISBN: 3-7618-1142-X から。)


