カタカナに移すのであればペヒトランカ。スロヴェニアの、タラゴン入りのロールケーキ。スロヴェニア語でタラゴンは pehtran ペヒトラン。それが入ったロールケーキが pehtranka ペヒトランカ。
スロヴェニアは、スウィーツ (slaščice スラシュチツェ)、ケーキ (pecivo ペツィーヴォ) の類いがまた、実はとてもおいしい。
ロールケーキ(ケーキというより少しパンに近い)は Potica ポティツァと言い、蜂蜜入り、クルミ入りなど、さまざまな種類のレシピがある。その中でも、このペヒトランカがいい。他のポティツァが「〜のポティツァ」と呼ばれるのに対して、このタラゴン入りのものだけは、同様の pehtranova potica という言い方もあるものの、pehtranka というたった一語で言う言葉が存在する。
このペヒトランカを、ボヒンのバカンスアパートに滞在した折、家主のマリヤおばちゃんが作って食べさせてくれたのだった。
タラゴンというと、フランス料理のイメージが強いが、こうしたお菓子に使ってその甘い香りがとてもよく生きているのは、このペヒトランカを措いて僕は知らない。

この画像はここから拝借した。ロシアン・タラゴンだ。このオーストリアのサイトでは、40もの言語でのハーブの呼び名が纏められている(日本語まである)。こういう各国語対照のハーブ名辞典を作りたいなと思っていたのだが、屋上屋を架すところだった。そもそも40言語なんて僕には無理だ。
ふしぎなのは、スロヴェニア語でタラゴンを指すペヒトランという名が、孤立しているように見えることだ。他に似た名で呼ぶ言語がない。お隣のクロアチア語でも、タラゴン、エストラゴンの系統の呼び名しかない。
肝心な(?)ペヒトランカのレシピだが、スロヴェニアのお菓子レシピ本で最も権威があるのが、『シスター・ヴェンデリーナのケーキ』というこの本。カラー図版の美しい大型本。もちろんペヒトランカのレシピも詳しく載っている。詳しすぎて、きちんと日本語にして紹介する余裕と能力が、いま、ない。
Marija Ilc, sestra Vendelina "Pecivo sestre Vendeline" Ljubljana: Vale-Novak, 1995.
英語によるレシピならば、たとえばここで読める。
Slovenia News
また、クルミ入りポティツァのレシピだけだが、ここも英語。タイトルの通り、「スロヴェニア語旅行会話」のサイト。
Slovene for Travelers
オマケとして挙がっている例文が、「(この)ポティツァはすばらしい。」 Potica je izvrstna.




