German Cinema: januar 2006アーカイブ

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冒頭、楽しげな家族でのドライブが一転して悲劇と化す。この設定はキエシロフスキの『青の愛』にちょっと似るが、ここでは7歳のパウルが両親を失う。
26歳のパウルは救急士助手になっている。「本人がまるで事故みたいな奴だから」、同僚からはもっぱらクラッシュというあだ名で呼ばれている。日々、ケルンの街のさまざまな事故に出動しては、人の命を救い、窮境にある人を助け、あるいは慰める。さまざまな出動のエピソードが丁寧に、しかしバランスを失することなく描き込まれる。そこに描かれるのは、言わばまさしく「剥き出しの」生であり死だ。

    
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DVDのカバーを見て、映画を見始めてから、まず、やられた、と思った。タイトルは「アグネスと〈彼の〉兄弟」となっているではないか。つまりアグネスというのは性同一性障害の男で、これは三兄弟の物語なのだ。このトリックにはドイツ人たちも案外引っかかっているらしく、ボーナス・マテリアルに収められた街頭インタビューでこの映画のタイトルを言わされた人の多く(もちろんまだ観ていなかった人たちだろう)は、「アグネスと彼女の兄弟」と答えていた。政界で活躍するヴェルナー、図書館の司書のハンス=イェルク、いまはダンサーのアグネスの三兄弟。それぞれにぶっ壊れた人生を抱えている。

    
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