Taspo!

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「タスポ」が、当たり前のことながら機能していない。導入初日、中学生の子供に自分のカードを貸してしょっぴかれた母親のニュースが出ていた。いや、これは「例外」であって、未成年に喫煙させないという当初の「目的」は果たしているのかもしれない。でもそういう話やデータは今のところ聞かない。そして一方コンビニは「タスポ特需」にわいているという。予想通りとは言え、かえって在庫・流通量を増やしているというのだから、笑える。

もちろんあんなところに個人情報を提出するのはいやだから、ぼくもタスポカードなど取得していない。政治的にうまく動いて、いまどきただのカード読み取りという原始的なテクノロジーでひと儲けした企業があるというだけの話だ。タスポカードのかわりに、運転免許証でも買えるようにする自販機を当局が承認したというニュースもあったが、その後どうなったかは聞かない。しごくまっとうに、「顔認証」で年齢を判断して販売する自販機を作ったメーカーもあるらしく、それが現に設置されているところもあるらしい(実はそれが雑誌などのオジさんの写真をかざすだけで通ってしまう「バグ」があるというからまた楽しい)。しかしそういう意味では、昭和的な「角のタバコ屋の看板娘」が復活すればいいだけの話だ。たとえその「娘」が60代、70代であっても。現状はつまるところコンビニがその代わりになっている。いまやほとんどの喫煙者にとっても意味のなくなった自販機はすべて撤去されてよいし、それは「街並み」の「景観」の点からも(たぶん電力消費の、したがってエコロジーの観点からも)きわめて望ましい。タスポの破綻が明らかな今、それが実行されないとすれば、だれが見ても(喫煙者から見ても非喫煙者から見ても)おかしな話だろう。

自販機の話を措くと、一箱1000円に、などという「運動」をやっている国会議員たちもいるらしい。さなきだにまともな議員立法の貧しいこの国の国会、もっと他にやることがあるだろに。タバコなんて、世の中からなくなればいいのに、というとっても素直で短絡的なブログも見かける。まあ、ブログなんてそのレベルの言説が大半だ。(このブログもそうですよ、もちろん。)

1000円、やってみたら面白いと思う。あるいはあのおめでたい国アメリカ合衆国1920年代の禁酒法のような禁煙法とか。きっとどこか産の闇タバコの流通ルートがあっという間にできあがるのではないだろうか。1000円というのは、名目上は「健康に害があるかもしれない喫煙の抑止」と言いながら増収目的なわけだが、いずれにしてもその目的が果たされることはないだろう。

いまやタバコは「他者の享楽」の代名詞みたいになりつつある。それが気に入らない。民族(!)的な対立の根底には、つねに「他者の享楽」への憎悪があるというミレール=ジジェク的な指摘はおそらく正しい。われわれはイェルサレムの地に喫煙者の楽園を打ち立てる運動を起こすべきなのだろうか? かりにタバコが消滅したら、彼らはその次のターゲットをどこに求めるのか、それが、楽しみというか恐ろしいというか。クリストファー・ラッシュが言った「ナルシシズムの時代」というのは、この件に照らしてもまったく正鵠を射ていると思う。両切りピースを吸いつつ92で亡くなった祖父と、タバコなど吸わずに50代で癌で亡くなった(ええ、もちろん副流煙のせいでしょうとも)母親を持つ僕(不思議におめでたいことに、日本は今なお世界一の長寿国であるらしい)は、タバコをやめるかもしれないし、やめないかもしれない。しかしかりにやめたとしても、この手の「キャンペーン」を無自覚にやっている連中、つまり何か一つの「悪」を見つけてそれを叩きさえすれば調和的な社会が実現するかのような古典的な幻想に淫している連中とは一線を画していたいものだと思う。

    
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taspoのお酒版ってのは出ないんですかね。(もちろん要らないが)
タバコの「規制」にそんなムダな費用をかけるより、
そっちのほうがよほど「未成年者」排除の需要が高いと思うんだけど。
お酒は「他者の享楽」になってない、ということなのか。

上●○の学生寮の近くにある酒屋さんでは、顔認証と免許証認証の機能がついた
自動販売機を置いていたように記憶しています。それで十分過ぎると思ったけど。

我が家の斜め向いにありますよ、「看板娘」が座っている、角のタバコ屋。
だって昭和の街ですもの。

ええ、酒はあまり「他者の享楽」になっていませんね。何がそういう位置を占めることになるか、というのはそれこそ社会的なシステムの網の目の問題なので、なぜタバコがこうで酒がこうなのか、決定的なことは言えないと思いますが、現在の「イメージ」のシステムの中では、タバコのほうが文字通りブラックな表象を持ちやすくなっているということは言えそう。キアヌ・リーブスの、タイトル何だったかな、いかにもハリウッド的に幼稚な天使と悪魔の物語(実はどちらかというとエイリアンもの)で、最後にルシファーがやけくそになって、主人公の両肺から真っ黒な塊を摘出して治療してしまい、ええい、おまえは生き続けろ、とやるシーンがありましたね。ああいう単純なイメージに、酒は結びつかない。

そうか、そんな「高級」な自販機が上●○にすでにありましたか。
ぼくの家の近くの角のタバコ屋さんでも、「看板娘」が復活しています。このあたりも、断片的にはまだ昭和が残っていると言うべきか。

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このページは、takuyaがjunij 17, 2008 12:32 AMに書いたブログ記事です。

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