じつはビリヤードが好き。先日学生たちと行ったコンパの二次会の店に台が一つあって、久しぶりにキューを手にした。決して上手いわけではないけれど、一頃はずいぶん夢中になってやっていたから、それなりのワザもできた。でも長年ごぶさたしていて、すっかり忘れている。
ビリヤードでよく遊んだのは、大昔、ドイツのボンにいたとき。街中の各所にあるゲームセンター Spielhalle のほとんどに置いてあって、比較的安く遊べたし、店によってはコーヒーがタダで飲み放題だったりした。1マルクか2マルク(大昔だからユーロではなくてマルク)のコインを入れると1ゲームできるものもあったし、カウンターで料金を払うところもあった。日本はバブルの最盛期だったから、1マルクがたしか70円を切っていた。
そういう店で、ドイツ人やイタリア人の友人たちと時々遊んでいたし、日本からケルンに行っていたシュンちゃんやベルリンに行っていたごっちゃまや、フランクフルトにいたT(すべてゲッティンゲンのゲーテ・インスティトゥートで一緒だった連中)が集まると、必ずやった。
この4人でオランダに行った時は、スヘヴェニンゲの海岸、バラックの中に何十台と台の並んだビリヤード場で、1日6時間くらいプレイしていたこともある。春先だったか(あのときキューケンホフのチューリップも見に行ったはずだ)、夏のかけらも感じられない、潮の匂いのしない砂浜は、灰色に曇っていて、それでも保養客が大勢いた。
ドイツで出ていたビリヤードの薄っぺらいマニュアル本も2冊くらい買って、面白がって読んでいた。画像(クリックで拡大)は、M. Bach, K.-W. Kühn, Pool- Billard. Herausgegeben vom Deutschen Pool-Billidard-Bund, Falken, 1988 (リンク先は amazon.de。現在は古本でしか手に入らないようだ)に出ていたワザ。黒玉に白玉を押しつけるようにしてぐっと回転を与え、黒玉を落とす。これを覚えていて、たしかボンでシュンちゃんと対戦したとき、使うチャンスがめぐってきて、試しにやったら見事成功した。彼は仰天し、そんなのありかよー、と文句を言っていた。が、使ったのも成功したのも後にも先にもたぶんその1回きりだ。
日本に帰ってきたころ、ちょうどビリヤードが異様なブームになっていて、あちこちにビリヤード場ができ、NHK の教育テレビが「ビリヤード講座」を放送してさえいた。だがいつもの日本の例で、2、3年もしないうちにブームはあっという間に消え去り、多くの「プールバー」が別の店に変わった。日本のこの手のブーム、それなりのスキルの必要なことがブームに仕立て上げられると、なにしろ少しは上達しないことにはちっとも面白くないわけだから、そこまで行く気のない連中があっと言う間に去り、ブームもあっというまに消える。
いったいあの台たちはどこへ行ったのだろう? フルサイズの台は、恐ろしく重く、かさばるものなのに。産業廃棄物?か粗大ゴミとしてどこかに埋められたのだろうか? 消えゆきつつあるのを見て、どうせ捨てるならウチに一台もらいたいなあと思ったのだが、日本の住宅事情とぼくの経済力では、とても置くスペースはとれないのだった。大学の学生会館にでも置いてくれないかな。
ドイツのほうは、この手のはやりすたりの波は、日本に比べると、一般に、ずっと小さい。
僕自身も、日本でできる場所が激減したこともあり、多事多端で、長いこと離れていた。
ビリヤードの、近頃の日本でのはやり具合は比較的安定しているようで、ぽつりぽつりと存在するピリヤード場は、決してはやり過ぎもせず、すたれもせず、続いているようだ。またぼちぼちやってみようかな。
ところで、ビリヤードのキューさばきと、弦楽器のボウイングの基本はまったく重なり合う。構造的に回転運動(甲野善紀さんの言うヒンジ運動)を基本とする腕の関節の動きを上手に組み合わせて、キュー/弓をまっすぐに動かすのだからだ。キューも弓も、決してぎゅっと握ってはいけない。だからヴァイオリンの上手な人はビリヤードがうまくなりやすいということが、もしかしたら、言えるのかもしれない。ぼくはどっちもそこそこだけど。



ありましたね〜。ひと頃あちこちに。プールバーってのが。綺麗さっぱり姿を消したけど。甲○園駅近くにも一つありましたよ。オレの学生時代に。
同じ甲○園のタイ料理屋(同じ筋の踏み切りから遠い方)にも台があったような気が。あそこは今もあるかな。
スイスはベルンの学生寮にもありました。皆が興じていたけど、オレはやらなかったので、全然上達せず。Ablog氏が上手ってのは、想像つきます。あのヴァイオリンの腕だもんね。
Eurosportっていうスポーツ専門局でも試合(?)を放映してたので、よく暇つぶしに観戦(?)したものです。
甲○園駅前に、いまもビリヤード場はあるんですよ。コンビニの2階に。そこでも数年前、学生たちと1回やったことがあります。
「プールバー」は死滅しましたね。でもこのまえ行ったのは世界厄神のバア。本物のペンギンを飼っているのが売りの店。そういうところでも、「プールバー」とは名乗らなくなった。プールビリヤードもペンギン用のプールもあるけど。
甲○園のタイ料理屋にあったんですか? 「踏み切りから遠い方」の地下にパーティ・スペースがあるらしいけど、そこにあるのかな。
tsujigaku さんがやらなかったってのは分かる。肉弾戦が専門だものね。でも今度機会があったらやりましょうよ。ローゴの愉しみとして。