オーストリアワインのことをあまりよく知らない。
1985年のワイン・スキャンダル(不凍液ジエチレングリコールの混入。ここの記述が詳しい)のイメージが、ぼくにはずっと強かった。その後厳しいワイン法が定められたようだし、考えてみればもう20年以上前の話ではないか。しかし数年前にも、ウィーン近郊のホイリゲのワインの品質はかなりひどいものだという記事を、どこか(たしかドイツ語の記事だったと思う)で読んだ記憶がある。
そんなわけで、オーストリアワインにはあまり関心を抱かずに来た。でも赤白のキャップシールの色で際立つオーストリアワインは、日本のワインショップでも、ときどき見かけるようになった。
オーストリアワインの公式ホームページ(日本語)。
オーストリアのワイン生産地域の見やすい地図もある。これらワイン生産地域が明確に分節されたのも、スキャンダルを受けた1986年のワイン法以降のことらしい。
Der Brockhaus in Text und Bild 2004 によれば、オーストリアでは、5万1千ヘクタールの畑で、230万 hl のワインが作られている。白も赤もあり、品質等級は、Tafelwein, Landwein, Qualitätswein, Prädikatwein に分かれる。ブドウの栽培品種は33種(うち22種が白ブドウ)が認可されている。
白ブドウの中でも、グリューナー・フェルトリーナー、ミュラー・トゥルガウ、ヴェルシュリースリングが、赤ではブラウアー・ポルトゥギーザー、ブラウフレンキッシュが主なところ。
1986年のワイン法で、4つのワイン生産地域(ニーダーエステライヒ、ブルゲンラント、シュタイアーマルク、ウィーン)に分けられ、さらに16のワイン製産地に細分される。たとえばニーダーエステライヒには、ヴァインフィアテル、ヴァッハウ、カンプタール、クレムスタール、トライゼンタール、ドーナウラント、カルヌントゥム、テルメンレギオンが含まれる。ウィーン・ワインはほとんどがホイリガー(新酒)として消費される。以上がブロックハウスの記述。
で、ぼくなりのオーストリアワイン入門(つまり、ぼくが入門するのだ)、まずはヴァッハウに注目してみようと思う。一番上の画像はドナウ川を背景にしたヴァッハウのブドウ畑。ウィーンからドナウ川を遡ると、メルクからクレムスの間の流域がヴァッハウ。そういやこのへん、新婚旅行のときに、船のツアーで行ったような記憶がある。陽に照らされたメルクの修道院の明るいテラスのほかは、一緒だったスイス人の一家が、食後、いっせいにシーハー爪楊枝を使い始めたのをみて、軽いショックを覚えたことぐらいしか覚えていない。
主にドナウ左岸、北側の急峻な斜面にブドウ畑が広がっている。主な品種はグリューナー・フェルトリーナーとリースリング。他にノイブルク、ムスカテラー、ソーヴィニョン・ブランも産する。
日本ではたとえばAWA(オーストリアワイン専門店)で注文できるようだ。
ヴァッハウのワインは、シュタインフェーダー、フェーダーシュピール、スマラークトという独特のカテゴリーに分けられる。それぞれ、すっきり、エレガント、高貴、という形容詞が付されるのだが、このカテゴリー名がちょっと面白い。
それぞれがどういうワインかという説明は、たとえばヴァッハウの生産者グリッチ Gritsch のサイトで読まれる。
シュタインフェーダー Steinfeder (文字通りには石の羽)というのは、草の名前。ヴァッハウの園芸店サイトに解説があった(この店ではヴァッハウみやげにシュタインフェーダーのポット苗を売っているらしい)。ヴァッハウのあたりのブドウ畑の高いところ、とくに乾燥したあたりに生える羽毛のような草。乾燥させて、ヴァッハウの男たちは帽子に挿す。ヴァッハウの民族衣装の一部なわけだ。ヴァッハウのワイン生産業者の組合らしき Vinea Wachau のメンバーだけが、Steinfeder の名を冠したワインを出すことができる、とある。
フェーダーシュピール Federspiel (文字通りには羽の遊び)というのは、「野菜果物事典」によれば、「ヴァッハウワインにつけられる中位の等級表示。鷹の羽で作られた道具の意。12.5%以下のアルコール度。カビネットに相当。」だそうだ。(同じ事典には Steinfeder, Smaragd は記載がない。)してみると、シュタインフェーダーがラントヴァイン相当で、スマラークトがプレディカート相当か。
「鷹の羽で作られた道具」ってずいぶん大雑把だが、フェーダーシュピールの画像は、シュタイアーマルクのシュタインツ狩猟博物館のサイトで見つけた。そしてこれがそもそも何の道具なのかという説明は
ブルクドルフ狩猟組合?のページの下の方に出ている。CSSがイカレているのか、Safari だと画像とテクストが重なってしまって見づらいが、鷹匠が若鷹の飛行・狩猟訓練に使ったりする道具らしい。
この画像も同所から。
スマラークト Smaragd というのは文字通りにはエメラルド(だから検索するとドイツ語版ポケモン・エメラルドの画像がやたらに出てくる)だが、ブドウ畑の乾いた石垣に姿を現すエメラルド色のトカゲのことらしい。エチケットのモノクロの絵では分からないが、画像をみると、たしかにずいぶん鮮やかなエメラルド色(雄は特に)をしている。
オーストリアの両生類・爬虫類専門サイト herpetofauna.at にオーストリアでの分布地図がある。
体長は最大40センチほどにもなるという。
ちょっと調べ方が足りないので、この項はあとから修正・加筆するかもしれません。



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