独立から十数年経って、スロヴェニアに関する「概説書」は既にいくつか出ている。
まずはイギリスで出版されているこれ(英語)。
Slovenia and the Slovenes (REPRINT DUE JULY)
それからドイツのこれ。
クセジュの「スロヴェニア 」はすでに日本語にされているけれど、あまり翻訳がうまくいっているとは思えない。訳者の千田善さんは、自ら書かれている通り、あまりフランス語が得手ではないようだ。それでも、千田さん自ら付加された地図や図表はさすがにこの地域の専門家の仕事で、このおまけのためだけにも日本語版は手に入れる価値がある。
イタリア語でも、もしかしたらロシア語やチェコ語やセルビア語でも、ひょっとしたら韓国語でもありそうだけれど、それは残念ながら僕には分からない。
最近、日本でも、ついに「地球の歩き方」シリーズのガイドブックが、かつては「中欧」とひとくくりにされた巻のみだったのが、「A34 クロアチア/スロヴェニア」という一巻が独立した。記述は表面的だし、地名のカナ表記は相変わらずデタラメもいいところ(トリグラウはやっぱり「トリグラフ」にされている)だが、ぼくがハントケの『反復』だけをたよりにスロヴェニアに行った1994年から考えると、隔世の感がある。
最近知ったのだが、山口由美さんという旅行作家の方の『世にもマニアな世界旅行』(新潮社)には、ナミビアだのボルネオだのアラスカだのコスタリカだのの間に挟まって、スロヴェニアが登場している。2004年の出版。この前、ウチがリュブリャーナに滞在した前の年に出ていたのだ。「せっかくだから、日本人のあまり行かない国がいい。名前を聞いてもイメージすら湧かない国がいい」という「マイナー路線」で「行き着いたのがスロヴェニアだった」のだそうだ。あまり小さい小さい、マイナー、マイナーと連呼されると、ぼくなどはうーんと思ってしまうが、さすが旅のプロ、さほど長くもなさそうな期間にリュブリャーナ、ピラン、シュコツィアン、イドリヤ、ブレットと回って、的確な観察を記している。で、結論的に、スロヴェニアは「小さくて体育会系の国」なのだそうだ。いいところを突いているなあ。




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