新しい肩当てを買った。カナダの Mach One というブランドのもの。2000年になって新たに出てきた肩当て。製作者の名前が Peter Mach さんであるらしい。西宮北口の弦楽器店で、弓の毛替えに行ったついでに7千円あまりで購入。

Mach One はカエデ材から一つ一つ削り出されている。これまで使っていたプラスティック素材の VIVA LA MUSICA(KUN に近いタイプで、スロヴェニア!製)のものと比べて、楽器自体の音色が格段に良くなる。倍音が増える感じだ。ネット上のショップの売り文句や個人の評を見ると、装着感のよさを前面に押し出している場合が多いようだが、決定的なのは音色だと思う。木の楽器に付けるものだから、木で作るというのが正解なのだろう。(Mach One ブランドでもプラスティック製のものもあるらしい。)
肩当ては使わない方がいいのだと主張する人もいる。が、たいていの場合、根拠は明確ではない。体格にもよるだろう。かつて、自身猪首のEというヴァイオリニストが、弟子にも肩当て無しを強制していたというような話も聞いた。どのていど正確か分からないが、昔はスーツの肩にはパッドを入れてあるのが当たり前で、だからこそ肩当てなど当時は不要だったのだという話を読んだ記憶もある。肩当てを排除する唯一説得的な根拠は、楽器の響きを阻害するというものだが、Mach One ならその点は問題がないか、きわめて小さそうだ。
佐々木朗氏のサイトによれば、Mach One は当初はもっと薄く作られていた。それが、割れてしまったりなどのクレームがあって、現在のものは元のものよりやや厚手になってきているという。これは重量の点ではもちろん、音響の点でも不利だと言えるだろう。そこで佐々木氏は現在の Mach One を軽量化する記事を掲載なさっている。いまこれをやってみようという気はぼくにはないが、木製だから、腕のいい楽器職人さんに依頼すれば、フィット感の調整などはある程度可能なわけだ。しかし割れてしまうというのは、肩当ての問題というより、その奏者の肩と顎に無駄な力が入っている可能性の方が高いように思えるのだが…。
唯一の難点は、これは KUN などの他の肩当てでも同じだが、楽器に装着する脚の部分が演奏中にずれてきて、悪くすると弾いている最中に楽器からはずれてしまうことだ。対策は、脚のゴム部分に松脂の粉を塗ることだと、購入先の楽器店で教えていただいた。なるほど、いつも弓に塗っていて、スポーツでも使われる松脂(野球のピッチャーが使うロージンバッグなど)の役割がすべり止めであることを、すっかり忘れていた。
# 追記:スロヴェニアのツェリエの VIVA LA MUSICA も木製の肩当てを出しているらしい。残念ながら僕はまだ(使って)見たことがない。



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