oktober 2007アーカイブ

ピアノ三重奏の舞台が終わった。細かい擦り傷切り傷はたくさんあったけれど、全体としてはそれなりにスジの通った「音楽」になっていたのではないかと思う。(いや、骨折もあったかな…。)yorikoさん、kaikenくん、お疲れさま・ありがとう。


ところで、昔、70年代くらいまでかな、日本の観光地では、観光地の名前の入った、フェルト製で横長の三角形の「ペナント」なるものを売っていたと記憶する。いつの間にか廃れたようで、もはや見かけない。起源も終焉も謎。少し調べていたら、ニッポン観光ペナント展示館なるサイトに行き当たった。何というか、すごいなあ。ここの「展示」を見ると、80年代初頭まではまだあちこちで生産・販売されていたらしい。

kueche.jpg

ペナントでも「観光記念」でもないのだけれど、ドイツでは、今でもよく、観光地の土産物屋などで、金属製のジョーク・プレートを売っている。

    
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弦楽四重奏を始める人がまず取りかかるのはたいていハイドンの作品で、中学生のときの僕も例外ではなかった。なかでも明朗な作品33、その中でもポピュラーなのが「鳥」の愛称のある作品33の3(Hob. III:39) ハ長調だろう。中野博詞は作品33の明るさ軽快さのよって来たるところを18歳年下の歌手ルイジア・ポルツェリとの恋に帰している(『ハイドン復活』春秋社、1995、115-116ページ)が、それはともかく。

haydn.jpg

作品33を、ハイドンの「まったく新しい特別な方法」で作曲したという言葉に結びつけ、さらにモーツァルトの「ハイドン・セット」への影響を云々するのが(チャールズ・ローゼンに到るまで)解説の定番だが、最近初めて知って面白いなと思ったのが、この終楽章(2/4拍子)ロンドの主題がクロアチア民謡にもとづいているということだ。



    
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ロスヴィータ・ランダッハー公開講座(相愛大学)randacher.jpg
2007年11月6日(火)18時15分〜20時30分
相愛大学南港ホール
入場無料

ロスヴィータ・ランダッハー公開レッスン(日本弦楽器指導者協会)
2007年11月17日(土)13時〜18時
新大阪ムラマツリサイタルホール
入場料:当日2000円、前売り1500円

ウィーンのヴァイオリニスト(ウィーン国立音楽大学ヴァイオリン演奏科教授)、ランダッハーさんの関西での2回の公開レッスンの通訳を引き受けることになりました。(ぼくは関わっていませんが、東京でも10月27日に公開レッスンがあるようです。)相愛のほうはランダッハーさんの演奏のあと、大学生二人のレッスン。ムラマツホールのほうは小中高生の受講者。それにしてもみんな難曲を弾きますね。

    
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肩当て

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新しい肩当てを買った。カナダの Mach One というブランドのもの。2000年になって新たに出てきた肩当て。製作者の名前が Peter Mach さんであるらしい。西宮北口の弦楽器店で、弓の毛替えに行ったついでに7千円あまりで購入。

machone.jpg

Mach One はカエデ材から一つ一つ削り出されている。これまで使っていたプラスティック素材の VIVA LA MUSICA(KUN に近いタイプで、スロヴェニア!製)のものと比べて、楽器自体の音色が格段に良くなる。倍音が増える感じだ。ネット上のショップの売り文句や個人の評を見ると、装着感のよさを前面に押し出している場合が多いようだが、決定的なのは音色だと思う。木の楽器に付けるものだから、木で作るというのが正解なのだろう。(Mach One ブランドでもプラスティック製のものもあるらしい。)

    
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剣尾山

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剣尾山(けんびさん)へ家族で行った。天気がよければ奈良・三重県境の倶留曽(くろそ)山まで出かけるつもりだったが、昨晩の予報ではわずかに雨。それで諦めて少し寝坊したら、今朝になっての予報は、日差しは期待できないものの「曇り」。慌てて電車・バスの時刻などを調べて、もう少し近場の北摂・剣尾山に初めて登ることにした。

kenbisan.jpg
横尾山の肩から振り返る剣尾山

    
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第126回ホームコンサートdurenne.jpg
2007年10月21日(日)午後2時
伊丹市立文化会館「いたみホール」
B1F多目的ホール
入場無料

「ホームコンサート」という名のミニコンサート。126回を数えるというのだからすごい。今回はいたみホールだが、甲東園の張記念館で行われることも多いらしい。縁があって、ピアニストのyorikoさんと、炎のチェロ弾きkaikenくんと、今回ここでモーツァルトのピアノ三重奏曲ハ長調 KV.548 を弾くことに。

    
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弓職人とペルナンブーコ材の現在に関しては、2005年7月16日付けの「ベルリン新聞」紙のヴォルフガング・クーナトの記事が、読みやすく興味深いストーリーとなっている。Magazin とあるから、ドイツの新聞によくある、週末版の付録誌に掲載されたものだろう。掻い摘んで紹介したい。

pernanbuco01.jpg

ペルナンブーコの木。
画像は
Global Trees Campaign より。

主人公は旧東独ドレスデン出身の弓職人ヨッヘン・シュミット氏。ペルナンブーコ、あるいはドイツ名でフェルナンブーク材は子供の頃から知っているが、生きて生えているその木を見るのは初めて。数人の仲間とともに、ブラジルの熱帯林をしばらく歩いて、まれにみる見事な木の前に立った。

ドイツには弦楽器の弓のメーカーが40軒ある。全世界ではその10倍程度。ほとんどが個人経営。全世界で、年間およそ8万本の弓が造られていると見られる。

弓メーカーはペルナンブーコ材が頼りだ。これに代わる素材はない。約250年前から、この木が使われてきた。「ヴァイオリンは弓だ」と言ったのは18世紀の名手ヴィオッティ。楽器本体よりも弓を重視する奏者も少なくない。そのヴィオッティの時代、音楽史上の革命が起こっている。フランスの時計職人だったトゥルテが、弦楽器の弓の形態を完成させたのだ。そのトゥルテがそれまでの素材に替えて選んだのがペルナンブーコ材。

    
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スターバッ×スやド×ールのおかげか、急速に市民権を得てきた感のあるエスプレッソ。フランスやイタリアでカフェと言えばエスプレッソのことだけれど、少し前までの日本ではまったく知られていなかった。エスプレッソ用の小さなカップもほとんど出回っていなかった。(日本でデミタスなどと呼ばれることのあるカップだが、これはどうも「英製仏語」くさい。demitasse という単語(半分demiのカップtasse)は英語の辞典には載っているが、フランス語の辞典では出てこない。un demi と言えばビール1杯のことだ。彼らにとってはカフェ=エスプレッソであり、あのサイズが標準だからだろう。少なくとも、普通に使われる表現ではないようだ。)

espresso.jpg

今はロシア上空を飛んでヨーロッパまで11〜12時間だけれど、10年ちょっと前までは、北回りと呼ばれるアンカレッジ経由か、南回りと呼ばれるシンガポール、香港など経由のルートか、モスクワ経由のアエロフロートぐらいしか、日本〜ヨーロッパを結ぶ便はなかった。17〜18時間かかった。(さらに昔の小沢征爾や、二葉亭四迷(古すぎ?)は船でマルセイユに上陸したようだけれど。)僕が1988年に(これももはや相当に古い)初めてドイツに行ったのは、アンカレッジ経由だった。成田を発ってたいした時間が経っているわけでもないのに、アンカレッジに降り立ったとたん、空港のうどん屋(そういうのがあったのだ、今もあるのかな)に駆け込む日本人たちが大勢いたのにびっくりした。

ヨーロッパへの直行便が普通になる直前の時期、94年頃か、たしかシンガポール経由でフランスから帰ってきたとき、トランジットのシンガポールの空港で、いかにも「卒業旅行」帰りの大学生みたいな女の子たちがしゃべっていたものだ。(そんな「卒業旅行」みたいなものが行われるようになったのもそのほんの少し前からだった。)「フランスのコーヒーはな、めっちゃ少なくてめっちゃ苦いねん!」…あのな、それがエスプレッソだ。フランスに行くならそれくらい分かってて行けよ、と突っ込みたくなるのをこらえる。今はもう、こんなコたちはいないことだろう。

    
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ヴァイオリンという楽器そのものについて、実はあまり詳しくない。大学生の頃に、ほどほどの楽器を手に入れて(それもいろいろいわくがあるのだが)満足し、1回、そこそこの弓に買い替えて、ずっとそのまま。弾くだけで満足していて、弦楽器の材料に関する知識は、自分で楽器を作ってしまうような人(これが意外と多い)とちがって、まるでない。

bogen.jpg

ヴァイオリンの表板がドイツトウヒ (Fichte) で、裏板がカエデだということくらいはなんとなく知っていた。弓に使われる木材のペルナンブーコという名前も耳にしていた。が、そのペルナンブーコがどういう木なのか、全く知らなかった。

    
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僕が拍節の考え方を教えていただいたのは20年以上も前、藤原義章さんからだった。拍(藤原氏の言う「自然リズム」)は微細に伸縮する。最終拍(いわゆるアウフタクト。4拍子なら4拍め)が一番延びる。次に第一拍。中間拍(4拍子なら2・3拍め)は短くなる。

saito.gif
斎藤秀雄『指揮法教程』、6ページより

しかしその後藤原さんがお書きになった本(たとえば『美しい演奏の科学―生きたリズムの表現のために』春秋社など)は、あまり説明がうまくいっていないように思える。ヴィジュアルな面では、4分円を使っていろいろ精緻な図を描いていらっしゃるものの、どうもピンと来ない。

拍子というのは要するに何ものかが規則的に回帰することだ。その回帰が感じ取れることで、聴き手は音楽に「乗る」ことができる。
そして西洋古典音楽においては、何より、拍節単位(たとえば小節)の下位単位(小節に対しては拍)が微細な伸縮を繰り返すことこそが、この回帰を表現する。

    
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ネヴァー・トゥー・レイト―私のチェロ修業

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つい最近知ったのだが、これはすぐれた書物だと思う。副題は翻訳では「私のチェロ修業」とされている。クラシックには縁がなかったはずなのに、「三十四歳になってからフルートを、四十歳でチェロを始めた。どちらも二年くらいでやめてしまったが、五十歳になってからまたチェロを始めた。今では、家にいるときは毎日三〜四時間は演奏するようにしている…。」という著者の音楽との出会い、そして柏木真樹の言い方で言えば、「レイト・スターター」としての発見と洞察を綴っている。

    
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日本では、若者のお行儀の悪いのは、みんなアメリカから入ってくることになっているが、ドイツもどうして、捨てたもの(?)ではない。地べたに座り込んで通行の邪魔をするとか、そのくらいのことは、ドイツも、日本に十年以上先立つ、立派なセンパイだった。

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ところで、今では日本でもそこらじゅうで手に入るようになったHARIBOのクマちゃんのグミキャンディは、あまり知られていないかもしれないが、古くからのボンの名産品だ。HARIBOの商標からして、ハンス・リーゲル HAns RIegel 氏が BOnn で売り出したことにちなんでいる。ついでに言えば、グミというのはドイツ語でゴムのことだ。そこらへんの事情は日本の輸入元のページにも開陳されている。
株式会社リョーカジャパン|ハリボー




    
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