文庫版になった清水義範の『はじめてわかる国語』を読んでいたら、唱歌「故郷」の「つつがない」という単語を説明して、「ツツガムシがいない」「ツツガムシ病がない」から来ているという説を引いていた。そう言えば、「ツツガムシ病」という病気のことも、「つつがない」がそこから来ているのかもしれないという語源説も、小学生ぐらいの時にどこかで読んだ気がするが、すっかり忘れていた。
清水はこう書いている。
つつが虫とは、クモ綱ダニ目ツツガムシ科に属するダニのことで、昔は刺されるとつつが虫病という病気になり、死者も出るほどであって恐れられていたのだ。
前のエントリを書いたときに、Der Standard のサイトから盗んできたヨーロッパのダニの写真をよくよく眺めて、ああ、8本足なんだ、昆虫ではなくてクモに近いんだなあと今ごろ気付いたところだったが、やはりダニはクモの下位分類になるようだ。そしてツツガムシというのはダニの仲間であるらしい。
で、ツツガムシ病。日本にいても、周りで話を聞いたことがないし、清水義範も「昔は」と書いているし、過去のものなのかと思ったら、現役なんですね。Mac で裏技を用いずに使える百科事典としてはほかに選択肢のない『スーパーニッポニカ 2003』(小学館)を見ると、ツツガムシ病を媒介するツツガムシは三種類ぐらいあって、それぞれ棲み分けてほぼ日本全国に分布しているらしいし、近年もツツガムシ病は出ているらしい。知らなかった。(やっぱり日本のことで知らないことはたくさんあるなあ。)そして刺されて「約1週間後に、刺された部位の皮膚が潰瘍になり、高熱を併発して全身に赤い発疹ができる」というツツガムシ病は、ライム病に似ているように思える。
ネット上では、たとえば横浜医師会のサイトに、ツツガムシに関する注意が書かれている。体長が0.2〜0.3ミリときわめて小さく、活動期が秋から春にかけてというあたりがヨーロッパのダニとは異なるようだ。あとは、媒介する病気も似ていれば、「刺された瞬間は、全く痛みを感じません。実は、それが一番困る点なのです」というあたりもよく似ている。
全く気にしてこなかったが、日本の野山でも、気をつけなければいけないのだったのだった。




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