プレシェレン広場の建物のレリーフ
新聞記事によれば、日本の警察は「外国人と間違えて」「旅券不携帯」の「入管法違反容疑」で日本人の女性を誤認逮捕しちゃったらしい。明確な「被害者」なのに年齢まで出てくるところが日本の新聞らしいが(やれやれ)、こうやって誤認逮捕される人が増えてくるのは、もしかしたらいいことかもしれない。
そういえば、独立後まもないスロヴェニアのヴィパーヴァ地方のあんまり車も通らない、まして人が歩いていたりなんかしない道路を家人と二人でとぼとぼ歩いていて、パトカーがすり寄ってきて停まったことがあったっけ。
たぶん1994年だと思うが、広いヴィパーヴァの谷のどこらへんだったか、もともとたいして本数もないバスの時刻表もろくに読めなくて、ええい、歩いちまえ、と、まわりには民家もほとんどないような、ときおり車だけが通り過ぎて行くような道路を歩いていたら、向こうからパトカーがやってきて、われわれの後ろですーっと寄せたかと思うと、わざわざUターンしてこっちに来て停まった。
パスポートを出せと言われて、当時のことで(って今もたいしてスロヴェニア語はできないが)英語で答える。─持ってないよ、ノヴァ・ゴリツァで泊まっているホテルのフロントに取り上げられたままだ。
ホテルの名前を聞かれて答える。警官たちは無線だったか車載電話だったか忘れたが、しばらく何やら連絡を取っていて、それから謝りもせずに再び走り去って行った。たぶん「東」時代にやってきているベトナムあたりからの人間がうろうろしているとでも思ったか。
まあ普通は歩行者がうろうろするような道ではなかったし、ヴィパーヴァ地方の奥の同名の集落近くには軍の施設があったから、それで神経質になるということもあったのかもしれないが、今回の滞在前の、スロヴェニアでの数少ない不愉快な経験の一つだったように記憶する。
そういえば(まただ)、シュコツィアンの鍾乳洞が世界遺産で、規模からいって勝るとも劣らない、ポピュラーさではずっと上回るポストイナがそうでないのは、ポストイナ鍾乳洞のすぐ近くに軍の演習場があるからだと聞いた。そういうことが、世界遺産指定の条件に引っかかるらしい。実際、地図("Turistična karta, Notranski kras" 1:5000, Geodetski zavod Slovenije, 1996) には、ポストイナの鉄道の線路の東側、25平方キロぐらいの地域が、Vojaško vadišče = military reservation としてマークされている。しかしその部分が真っ白ということはなくて、小さな起伏の多い地形の等高線はきっちり描かれているし、ハイキングコースもその中を突っ切っている。



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