スロヴェニア・ワイン:「緑」という名のワイン

久々にワインネタ。リュブリャーナでただ飲んだくれてばかりいるのではないかと思われるのも癪なので(大方事実と言えば事実ですが)控えていたのですが、前々から試したいと思っていたワインが手に入ったもので。
zelen.jpg

スロヴェニアのワインで、ゼレン zelen という名の品種から作られるワインがあります。zelen とは「緑」という単語。プリモルエ(海岸)地区、ほとんど特にそのヴィパーヴァ地方でのみ作られている地域固有種。ヴィパーヴァはカルスト台地とトルノヴォ森の山地との間に挟まれた肥沃な谷です。

ゼレン種は収穫量が少ないため、他地域の生産者はあまり作ろうとしないとのこと。イタリアの verduzzo と遠い親戚だそうです。フィルタリングしないかつての生産方法では、深い黄緑色からエメラルドグリーンにいたる色合いを呈したようですが、現在のものはそう言われればかすかに緑がかっているかなという黄色。名前とは一致しなくなっています。今回試したのは Vipava 1894 社の高級ブランド、ランティエリ Lanthieri で出ている2004年の中辛口。先日書いたBTC のスーパー Interspar で2090トラル。スロヴェニアのワインとしては少し高い部類ですが、日本円にしたら1200円ちょっと。異様に首の長いボトルです。
どうせ短い滞在だからと調理器具を揃えることもせず、比較的つましい食事をしている我が家でこのワインに合わせたのは鮭を使ったショートパスタ。鮭が負けていました。家人は、ハーブをしっかり使った鶏肉料理に合うのではないかと言っていました。
フルボディの白、という言い方はないと思いますが、そんな感じ。酸味も甘みもしっかりありますが、いずれもとても穏やかに効いてきます。日本では一頃女の子に「みどり」という名前を付けるのがはやっていて、結構性格のキツいみどりさんが多かったような記憶がありますが(いや、キツくても魅力的な人が多かったな。全然関係ありませんね、すみません)、この「緑」は丸く穏やかです。例によってこの手の語彙が貧困なもので、参考書(Julij Nemanič, Janez Bogataj "Wines of Slovenia", Ljubljana 2004)の記述を借りると、ドライフラワー、ミントティー、白桃、フレッシュアーモンド、ヘーゼルナッツ、甘いスパイスの香りが混じり合ったような複雑なブーケ、そのすべてがちゃんと調和している。のどごしはあくまでもさわやかで、青リンゴやレモンのような後味を残す。
好きです。このミドリさん。

    
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コメント(5)

いましたいました。きついみどりさん。
でも、大元はといえば大黒屋の美登利ちゃんではないでしょうか。
オーストリアの品種ににGruener Veltinerってありますよね。それからポルトガル料理の店に入ると赤白のほかにGruenがあって、これも他では辛口の白と見なされるものですよねえ。

おお、kwanさん、コメント初登場感謝。
ありますねえ、Grüner Veltiner。Roter Veltiner と Sylvaner の自然交配種だそうですが、Roter Veltiner なんて見たことない。スロヴェニアの Zelen とはたぶん無関係でしょうけれど。ポルトガルの「緑」って知りませんが、日本のポルトガル料理屋にあるんですか?

いえ、葡萄牙屋はBerlinのSteglitzその他で。たしかに白の中でも緑っぽい感じ。本国のことは知りません。
ボトルの首が長いのは丈比べのしすぎではないでしょうか。

ああ、そういう分かりやすいオチで来たか。 :)

改めて調べてみたら、Grüner Veltiner はスロヴェニア語ではまんま zeleni veltlinec で、zelen とは関係なさそうです。Primož Plahuta "Veliki Vinski Leksikon", Ljubljana 2004 (ワイン大事典)によれば、リンゴの香りのフレッシュなワインになる。オーストリアの、特にシュタイアーマルクで作られる固有種。チェコやスロヴァキアでも栽培されている。

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このページは、takuyaがjanuar 9, 2006 12:04 AMに書いたブログ記事です。

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