夏には何度も訪れているボヒン。冬は今回が初めてです。ブレットからバスで30分、ボヒンスカ・ビストリツァに着いたのはすでに3時頃。この日はスキーは諦め、橇遊びをすることに。簡易橇というか尻滑り用の道具はリュブリャーナのBTCの店で一つ400トラル(235円)ほどで購入したものを持参していました。こんなの。

取っ手を握ってまたがって座ります。ドイツ製。体重50キロまでとなっていますが、ややオーバーの僕でも大丈夫でした。しかし宿でもちゃんとした橇を無料で貸してくれました。こんなの。

場所は、ボヒンスカ・ビストリツァの町外れ、古い石橋を渡った先の左手、夏は牧草地の丘のドブラヴァの斜面です。冬場、ドブラヴァの丘の中腹には、ほぼ水平にクロスカントリーのコースが作られていて、橇用の斜面とは交差しますが、クロスカントリースキーでやってくる人はそれほど多くはなくて問題なし。橇遊びのスロープは、幅50メートル、長さ200メートルほどでしょうか。他の二三組の子供たちとともに、夕闇が迫るまで、この日は橇遊びを堪能しました。

土曜、リュブリャーナを出た時、最初からブレットではなくてこのボヒンを目指せばよかった。この週末は好天で、翌日も、朝霧の後、晴れました。朝食のあと、荷物をまとめてからボヒンスカ・ビストリツァのコブラ Kobla スキー場へ。ボヒンには、ずっと奥の湖のほう、ロープウェイで登ったところに、かなり大きなヴォーグル Vogel スキー場がありますが、こちらの Kobla は手近で小規模。それでも、十分雪質はいいと感じました。

スロヴェニア唯一の、列車で行けるスキー場、という広告も目にしたことがありますが、ボヒンスカ・ビストリツァを通る列車はそもそも一日片道3、4本と数が少ないし、リュブリャーナからはイェセニツェで乗り換えなければならない。バスの方がまだはるかに便利です。
(追記:その後知ったのだが、スロヴェニア鉄道は、土日祝に限り、リュブリャーナからボヒン〜ノヴァ・ゴリツァまでの直通列車を早朝に一本だけ走らせている。リュブリャーナ 6:50 発、ボヒンスカ・ビストリツァ着は 8:55。)
それでも、ボヒンスカ・ビストリツァの町からは徒歩でも5〜10分ほどのところに、このスキー場はあります。ここも木小屋風の小さな建物が二つあって、一つはリフト券売り場、もう一つはレンタルスキーとスキー学校の申し込み所。ブレットと大違いなのは、板を借りたら道を渡ったすぐそこからゲレンデが始まっているところです。
スキーレンタルの小屋を切り回しているのは、日本で言えば東北系のにこやかなおじさん。多くの人が出入りして、なかなか忙しい。おじさんのいるところにはスキー板やストックと、スノーボードしか置いてありません。スキー靴は斜面に建つこの小屋の階下。改めて驚いたことの一つは、次から次へとやってくる人の対応に追われながら、階下の扉の鍵を僕に渡し、先に行って靴を選んでいなさい、と言う。人を信用しているんですね。やっぱりボヒンだな、と思いました。靴を選んでからもう一度上に上がり、スキー板とストックを渡してもらいます。これがまた感心したのですが、おじさんは、靴のサイズを見て、こちらの一人一人の体重や伎倆を聞き、さっさっと板の調整をしていく。日本のスキー場でここまでやってくれるでしょうか。まあ、もう十年ぐらい、日本でもスキーになど行っていなかったので、最近の日本のスキー場も以前とは違ってきているのかもしれませんが。おじさんは、全体に、いかにもこの仕事が好きでやっているという感じがにじみ出ていました。

同じ場所でスキーは全く初めての子供二人のレッスンも申し込む。インストラクターは二十代前半という感じの男性。2時間のレッスンで、二人ともそこそこまともなプルークで滑るようになりました。
ゲレンデの端には簡易食堂。ケバブのようなパンに挟まれたタマネギたっぷりの「ハンバーガー」で昼食。
ここでまた目を引いたのが、飲食カウンターの隣にあったこれ。

ルックザック掛けです。鍵も番号札も何にもない、ただ掛けておくだけ。食事や休憩のために外したスキー板やストックはみんなそこらに放り出してあるし、ここでも、ボヒンの安全さ、のどかさを目の当たりにしたような気がしました。
同じ場所で、宿の若夫婦とその子供たちにも会いました。なんでも、毎週末、ボヒンスカ・ビストリツァの子供たち専用のスキー・スクールがあるのだとか。こんな土地でそんな制度があれば、うまくなるわけです。実際、幼稚園児ぐらいの小さな子供たちが大勢、すいすい滑っている。
レンタル代とレッスン代は帰りがけにまとめて払う。4人分のセットと子供2人分のレッスン代でしめて2万トラル(1万2千円)ほどでした。
4時近くにペンション・Tに戻り、預けてあった荷物を出して着替えて、飲み物(子供たちはコーラとりんごジュースにアイスクリーム、家内はアイス、僕はブルーベリーのリキュール)を摂ってから、5時少し前のバスに揺られて二時間、リュブリャーナに戻りました。



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