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スロヴェニア語の学習(語彙学習 その5)

『スロベニア語基礎1500語』UniLingua を使って叩き込んでいく学習も、ようやく "Ž" の項まで来て、終わりに近づいている。もちろん、前の方で抜けてしまっているもの、あの不経済な音素の使い回しのせいであやふやなものがまだまだあるから、あと2、3サイクルは回していかないと、obvladati - マスターする(この単語は1500のうちには入っていないが)には至らないだろう。

「基礎〜千語」というタイプの参考書は大昔からあるし、実際よく使われてきたのだろう。多少新しい道具立てを使いはしたけれども、今回はこの古典的な外国語アプローチ法の力を再認識することになった。実は10月から週2回の外国人向けスロヴェニア語講座にも顔を出しているのだが、そこでもかなり学習が楽になるのが感じられたし、もちろん日常的にも本書で学んだ語彙に出くわす確率はたしかに高い。

しかしおそらく、勘違いしてはならないことの第一点は、こういう単語集は、たったそれだけの語彙でいいということではなくて、比較的初期の段階でそれだけ身につければ、それを核としてさらに語彙が増やせるようになる、増やしやすくなるというところにポイントがあるということだ。そして実際、そういう効果も今回感じている。

実は、かつてフランス語やスペイン語をやったときは、こういう単語集のようなものはほとんど使わなかった。ASSIMIL という音声教材をメインに使っていて、あまりその必要性を感じていなかったのだ。(スペイン語はたいしたレベルに持っていく必要がなかったからというのもあるかもしれない。)ASSIMIL は、各課が短い対話や文章のテクストになっていて、それが100課以上あり、それだけでじゅうぶんな語彙が得られた。たとえばフランス語学習用教材は、音声教材はフランス語のみで共通、テキストは、英語解説版、ドイツ語解説版など各国語版が出ている。(日本語解説版はない。かつてフランス語学習用教材のみ日本語版が出されていたが、あまり褒められた出来ではなかった。)日本の amazon からも注文できる。

ところが ASSIMIL はスロヴェニア語教材は出しておらず、英独仏語圏で出ている他の音声教材も漁ったのだが、あまりいいものがなかった。

現時点での選択肢としては、


"Colloquial Slovene (Colloquial Series (Multimedia))" (Andrea Albretti)

ぐらいしかないのだが、せっかく CD 付きでありながら(ASSIMIL とはちがって)録音されている会話の密度はあまり高くない。文法事項の提示の順序も、最初のほうはいいのだが、次第にやや混乱してくる。もっとも、スロヴェニア語のような言語の文法をこうした教材で巧みに明快に展開していくのは至難の業であるはずで、やむを得ない面もある。

そのように、いくらか欠点はあるものの、スロヴェニア語を習得しようという方にはこの Colloquial Slovene をまず第一にお奨めすることになるだろう。強調しておかなければならないが、そしてこれが気をつけなければならないことの第二点だが、ここまで紹介してきたような詰め込みの単語習得は、外国語学習のほんとうの〈最初の〉段階ではありえない、最初にやるべきことではない、ということだ。それ以前に、スロヴェニア語に対して、特に「音」に対して少しは馴染んでいなければならないし、具体的な発話文のイメージを、こうした教材の音声素材を繰り返し聴き(もちろん iPod を使う)、できればシャドウィングすることで、ある程度つかんでおくべきだ。もし周りでスロヴェニア語を耳にすることのまずない日本でやるならなおさらだ。当然同時にある程度の文法構造のイメージも得ることになる。実際、僕は日本にいたとき、これを使ってやりさしていた。(他にもあるのだが、それについては改めて書くかもしれない。)これをやりかけておいて、途中で混乱してきたらいったん放置し、これまで紹介してきたような語彙固めをやったり、Derbyshire のBasic Reference Grammar of Sloveneをざっと通読して文法的な見通しをよくしたり、という作業に移り、それからまたあとで戻ってくればよい。…というか、そういう風に、今、僕はやっているわけだ。