スロヴェニアのワインにはリースリングと呼ばれるものが二種類ある。ラシュキ・リースリング Laški Rizling とレンスキ・リースリング Renski Rizling。ドイツやアルザス産のもので知られ、白ワインの王とも呼ばれるリースリング Riesling (White Riesling, Rhein-Riesling) に当たるのはレンスキのほうです。

レンスキ・リースリングは、スロヴェニアではほぼマリボルをはじめとするドラヴァ川流域の地域(ボドラウィエ Podravje 地域)の独占。ドイツよりも低緯度だから日照の点で有利であり、注意深く収穫されるから、ドイツ産のリースリングよりも香り高いのだ、と主張する人もあります。
写真はポドラウィエの一地区、ハロゼ地区のレンスキ・リースリング。中甘口。616トラル。
ラシュキの方は、このいわゆるリースリングとはまったく無関係らしい。

ラシュキは、シャンパーニュ地方(フランス)起源だけれどそこではほとんど造られていない、という記述をしているものもあるものの、ほとんどパンノニア平原の固有種のようなもののようです。つまり、スロヴェニア北東部で国境を接するいくつかの国で造られているだけなのです(イタリアは例外)。クロアチアでは Graševina と呼ばれ、ハンガリーでは Olasz Rizling と呼ばれる。ドイツ語では Welschriesling とも呼ばれ、オーストリアのシュタイアーマルクやブルゲンラントで多く造られている。スロヴェニア語の Laški も、ハンガリー語の Olasz も、ドイツ語の Welsch も、「外国の、ローマ起源の」といった意味合いがあるらしいのですが。
味わいはリースリングによく似ています。スロヴェニアではこの品種は多く生産され、ブレンド用によく使われていますが、単独でもよいワインができます。長期の熟成にも耐えるとのこと。霜や病害に強いため、遅摘みしやすく、トロッケンベーレンアウスレーゼ (suhi jagodni izbor) やアイスヴァイン (ledno vino) にもなります。
上の写真はリュトメル・オルモージュ産のラシュキ・リースリング、2001年。660トラル。
下は同じくリュトメル・オルモージュ産ラシュキ・リースリング、2003年、遅摘み (pozna trgatev)、中甘口 (polsladko)。777トラル。




B-)
味がどう違うのか、ぜひ試してみたいものですなぁ...。
ドイツのリースリング「よりも」香り高い、という主張には、ある種のコンプレックスが香るような気もしますが、そう言うだけの根拠がきっと味にあるんでしょうね。
Welsch ってのは確かに、ロマン(ス)語地域の、というような意味があるから(フランス語圏スイスを die welsche Schweiz なんて言ったりするし)、Welschriesling がフランス起源ってのは、なるほど、という気もします。
写真で見ていると、美味しそう。
(いつも、トラルの貨幣価値を忘れてしまって困るので、頁のどこかに大まかな換算式をつけてもらうと助かるんですが。)
そうですね、いずれ飲み比べていただきましょう。
レートは、だいたい六掛けにしてもらえば、日本円になります。600トラルなら360円ぐらい。でもそうですね、レートの表示については考えておきます。OS X 10.4 なら、前にここで紹介した Easy Currency を使っていただくのも手です。
http://www.tkyabe.com/blog/archives/2005/09/mac_2.html