リュブリャーナのへそと言えば間違いなくこのプレシェレン広場 Prešernov trg だろう。リュブリャニツァ川の屈曲する角にあたり、優美な三本橋で市場や旧市街の市庁舎広場につながり、上流下流それぞれの方向に伸びるリュブリャニツァ左岸の河岸の道、鉄道の駅へとまっすぐ到るミクロシチ通り、短いけれどももっとも人々でにぎわうショッピング街のチョプ通り、議会広場にいたるヴォルフ通りが、ここから放射状に伸びている。実に多くの人がここに集まる。プレシェレンの銅像の下は、定番の待ち合わせ場所だ。暖かい季節は、スケボーのガキどもが周りをぐるぐる走っていたりする。
さまざまな時代・様式の美しい建築に周りを囲まれている。これはフランシスコ会の「マリアの受胎告知教会」イタリア・ルネサンス様式。

教会からミクロシチ通りをはさんで右に、ユーゲントシュティルのウルバンツ・ハウス Urbančeva hiša。1903年に開店したリュブリャーナ最古のデパート、ツェントロメルクール Centromerkur が入っている。当時の市長イヴァン・フリバルはここに市立貯蓄銀行を置くつもりだったのを、フェリックス・ウルバンツが買い取り、デパートにした。グラーツ出身の建築家、フリードリヒ・ジギスムントのベスト作と言われる。敷地の頂点にあたるところに狭く面取りされた正面入り口は、フランスのアールヌーヴォーのようなデザインの天蓋が取り付けられている。


その細部。ここにもやはりドラゴンが。

一番上には商業の守護神、メルクリウスの彫像。その下の狭い入口を入ると、正面の4本の柱の間から上っていく階段が、優美な曲線を描きながら途中で左右に分かれて、二階のギャラリーにつながっている。

外側の両翼はウィーン分離派のスタイル。しかしこのリュブリャーナ最古のデパート、品揃えも今なお古色蒼然としているところがなんと言うか...。(デパートとしては、いずれも小規模なことにかわりはないけれど、Maxi や Nama や Müller のほうがまともだ。)
それと広場を挟んでちょうど向かい合う、シュマレツ・ハウス Šmalčeva hiša もユーゲントシュティル。またの名を ura(時計)。ツェントロメルクールの時計・宝飾屋がここに入っている。

何年か前までは、この小さく繊細な建物の屋上には大きな "CITIZEN" の広告があった(下は証拠写真)。が、撤去されたらしい。たぶんいいことだ。
(出典)
「市民の消滅」って何事かと思われたかもしれませんが、それだけのことです、はい。



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