10月中旬、こどもを幼稚園に迎えにいったら、突然、明日は遠足で、親が付いてきてもいい、と言われた。行き先はリュブリャーナから北西方向の聖(スヴェト)ヤーコプ。そういう名前の教会が山頂にあって、山もその名で呼ばれているようだ。少し考えて、付いていくことにした。
園児は20人ぐらいだろうか。親は僕の他に母親が二人ほど。
Sv. Jakob の標高は806m。バスで40分ぐらいだったか、670m の高原にあるトポウ Topol の集落まで行き、そこが出発点になる。だから標高差は140m 程度。Sv. Jakob は、以前に行ったシュマルナ・ゴーラともさほど離れていないのだが、独立峰のシュマルナ山と違って、1000m前後の山が連なる Polhograjsko Hribovje と呼ばれる山塊の外れに位置していて、バスで北側の谷からぐるっと回っていかなければならないので、アプローチはずっと長い。細い小川の流れる日のあたらない狭い谷(樹林はやはり美しい)をバスは延々奥まで走り、最後にカーブの多い一登りでトポウの集落の駐車場に着く。そこから急な舗装道路をしばらく歩くと、南面が開けた牧草地になり、リュブリャーナ方向の眺めがよい。やがて聖カタリーナ教会 Sv. Katarine の近くを通って、ようやく土の道、登山道が始まる。
道は樹林の中をひたすらまっすぐ進んでいく。ローク Rog という山の西側の山腹を巻いていく道だ。勾配はとてもゆるやかで、登っているという感じがしないほど。たしかに幼稚園児たちを歩かせるにはちょうどいいコースだ。すでに多くの木々が黄葉したり葉を落としたりしている。所々には栗のイガが落ちている。中身も、こぶりだが、ちゃんと詰まっている。
やがて山蔭の道が終わって高原状の尾根に出ると、あたりは牧草地となり、周囲の展望が開ける。道のすぐ先には、目的地 Sv. Jakob のピークがぽこんと突き出している(上の写真)。その向こうはカラヴァンケ山脈。東側にはシュマルナ・ゴーラが見下ろせ、西側にははるかにトリグラウまで見えている。最後の登りは、正面から林の際をまっすぐ急登する道もあるが、園児たちは左から緩やかに螺旋状に登っていって裏側から山頂に出る道を歩く。
山頂には、他にも、もう少し年かさの子供たちのグループが2、3いた。ガイドブックの写真では塔の屋根が赤く写っていた教会は、ちょうど葺き替え工事の最中で、足場の間から、真新しい銅板がぴかぴか光っていた。
このあたり、この季節、晴れるとしても午前中は霧がかかっていて、11時くらいにようやく晴れ上がるのだが、この日と前日は、明け方から快晴で星も見えていた。ということは空気が乾燥しているということらしく、ということは空気の透明度が高く、遠くまでよく見えることになる。この日の山頂近くからは、西の方にトリグラウの白い峰もはっきりと見えた。下の写真、奥に白く尖っているのが見えるだろうか。
山頂には30分ほどいて、もと来た道を戻り、再びバスで昼前に帰着。こどもたちはそれから幼稚園で給食。持ってきた栗は家に帰ってから煎って食べた。



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