8月初旬、こっちへ来てまず第一にやったことの一つは本屋へ行くこと。ひとまずはスロヴェニア語の辞書と参考書を漁ってきたのだった。ここ2、3年で出版されたものが多く、収穫はかなりあった。出費も...。
リュブリャーナの本屋と言えば、以前から、目抜き通りの Slovenska cesta スロヴェニア通り(かつてはティトー通りといった)の Kongresni trg 議会広場近くに本店を構える MK (Mladinska knjiga)。1階は文房具、2階が本。2階の細長い売り場はかなりの面積で、英独仏などの本も置く。売り場の奥の方は、小さな展覧会や朗読会ができるようなスペースになっている(最近、村上龍が自作のスロヴェニア語訳の出版に際してやってきて、皆さん私を村上春樹と間違えていませんかとかしゃべっていたというのはここかもしれない)。また、市内のさほどでもない距離のところに、小さな支店もたくさん持っている(ここ数年で増えたようだ)。主にこの本店で買ってきた本:
- Doris, dr. Božidar in Primož Debenjak, Veliki slovensko-nemški slovar. Ljubljana: DZS, 2002 (19900 SIT)
- Primož, Doris in dr. Božidar Debenjak, Mali nemško-slovenski in slovensko-nemški slovar. Ljubljana: DZS, 2004 (4650 SIT)
- Nataša Pirih Svetina, Andreja Ponikvar, A, B, C... 1, 2, 3, gremo. Ljubljana: Center za slovenščino kot drugi/tuji jezik pri Oddelku za slovenistiko Filozofske fakultete, 2005 (8000 SIT)
- Elizabeta M. Jenko, Daniela Pečnik, Michael Reichmayr, Zvočna čitanka za pouk slovenščine = Slowenisch hören und verstehen. Klagenfurt: Drava, 2002 (12000 SIT)
- Rada Lečič, Slovenski glagol = Slovene verb: a morphological manual and dictionary of Slovene verbs. Ljubljana: Založba ZRC, 2004 (4070 SIT)
- は1652ページのスロヴェニア語-ドイツ語大辞典。10万語を収める。対をなすドイツ語-スロヴェニア語辞典も並んでいた。用例の記述がこれまでの辞典に比べて明快な印象を受ける。しかし物理的には重たい。
- は1と同じ著者たちによる小さな辞典。小さい中に、スロヴェニア語-ドイツ語辞典とドイツ語-スロヴェニア語辞典を収めている。1の大辞典の特徴を引き継ぎながら小さく小さく纏めてあり、普段遣いにはいい。赤い字で印刷された見出し語も見やすい。これまでに出されたスロヴェニア語-他言語のポケット辞典のうちでもベストの出来ではないだろうか。
- はビギナー向けの、近ごろ西欧でよくあるタイプの、大判でカラフルな参考書。スロヴェニア語教室のテキストとしても、自習用にも使える(設問には英訳も添えられている)ようになっている。CD付き。
- は国境の向こう、オーストリア南部のクラーゲンフルトで出版された「聴き取り」練習用教材。CD付き。少し前に、同じ著者によるとてもよい文法書"Grammatik der slowenischen Sprache" (Elizabeta M. Jenko)(解説はドイツ語)が出ていた。
- はスロヴェニア語の動詞辞典。英語による説明が付いている。
すべてここ4年のうちに出版された新鮮なものばかりだ。おそらく、この多くは、独立前後から始められたプロジェクトが実を結んできたというところだろう。(スロヴェニア語-英語では、Oxford の名を冠した大辞典も、A-K の項目を収める第1巻が出たところだ。)もちろん、語学学校に行けばいいというものではないのと同様、参考書を買い込めばいいというものでもないけれども、おかげで、少しはスロヴェニア語学習が楽になりそうな気はする。付属のCDは、片っ端から Mac で iTunes に取り込んで、iPod に入れる。しかし実は、今メインで使っているのは、旧ユーゴ時代に作られたスロヴェニア語自習教材だったりする。これについてはまたそのうち書くかもしれない。
ところで、上記の本それぞれの後に記した 8000 SIT などの数字は、お値段。SIT はスロヴェニア(SI)の通貨 Tolar を表す。感覚としては1トラル=1円だが、現在のレートは1.7トラル=1円ぐらい。それを考えてもこちらの本は高い。スロヴェニアは出版の盛んな国だと思える。だが人口200万弱のスロヴェニアは、周辺諸国の隣接地域やアメリカ合州国(特にクリーブランド)などの国外にも話者がいるとは言え、一点一点の出版部数は必然的に限られ、したがって単価が高くなる。こうした非ネイティブの学習者を対象としたような本も事情は一般書よりいい訳もない。



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