
『一家に一つ、魔法使い』 Der Fakir (2004年、85分)
こども向けのホラー・コメディ。(上の日本語タイトルは適当に付けた仮のもの。)
父親が亡くなって、二卵性双生児のエマとトムは、母親とともに、何十年も放置されていた古い屋敷に引っ越す。ここには絶対何かが「出る」と確信したエマは、実際、地下室で、ボールペンに閉じこめられた幽霊というか魔法使いというか何というか、ロンバルドという男を発見する。ロンバルドは、50年の間、そこに閉じこめられていたのだった。ボールペンから出してもらったロンバルドは早速力を発揮しなければならない。この屋敷に盗品のダイヤを隠した脱獄囚二人が闖入してきたからだ。ロンバルドの力を借りて(?)、子供たちは二人の男を見事撃退。それどころかおまけに...。
ドイツ製のこの手のコメディというのはあまり日本には知られていない。このへんは紹介されてもいいのではないだろうか。大ヒットにはならないだろうけれど。
それにしても、ロンバルドを演じるモーリツ・ブライプトロイのはまっていること。『ラン・ローラ・ラン』、『ソリーノ』、『七月』、『エス』などなど、まるで違った役を実に器用にこなすものだ。
原作の少年少女向け小説は

Ein Fakir für alle Fälle

『弟が犬になっちゃった』 Mein Bruder ist ein Hund (2004年、97分)
Der Fakir と一緒にドイツ版 DVD を取り寄せて観てから気付いたのだが、「ドイツ年」のからみで6月に東京で公開されていて、テレビの動物番組でも、「主演」の犬が訓練士と一緒に紹介されていた。(訓練士は、映画の中でもキャンディー・ショップの店員の役で一瞬出演している。)
マリエッタは犬が飼いたくて仕方がない。けれど、親は許してくれない。十歳の誕生日にもらったアフリカの「魔法の石」。魔法なんて効くわけないじゃない。でも両親が旅行で不在の間に、ほんの試しに「魔法の石」に願いをかけてみる。「ベク・ベク・ヴェズ・クサラート!」バカな弟なんかより、犬が欲しい! すると本当にかわいい犬が出現! しかしこの犬、弟トビアスの好物のキャラメルキャンディーをぱくぱく食べるし、弟の大好きだったソファーのクッションにちょこんと座って弟の大好きだったテレビ番組を見ている。弟が変身しちゃったんだ! さらにこの犬、ふとしたきっかけでCMスターになってしまう。マリエッタは必死で弟を元の姿に戻そうとするが、弟の方は犬としての生活がまんざらでもなく、人間に戻ることを拒む......。ドイツ年サイトの解説によれば、「『競走豚ルディー』など、動物を使ったファミリー・ムーヴィーの第一人者であるペーター・ティムによる、<家族の絆>をテーマとする子供向け映画の秀作。」だそうだ。
弟の Hans Laurin Beyerling ? が、彼が変身するツヴェルクシュナウツァーによく似ていて(?)、その点、なんだか説得力がある。




はじめまして。
トラックバックありがとうございました。
弟が犬になっちゃったは、タイトル買い(?)で見に行き、「ぽちたま」の主演犬の放送も偶然見ました。
ドイツ映画を観たのはほとんど初めてでしたが、これをみてドイツの文化というか「家族」の考え方について
ちょっと知りたくなりました。
職場のドイツ人の方に質問しようかと思ったのですが、ドイツ語ができない・・・という落とし穴により
「両親が2人の愛を確かめるために、子どもを置いて、2週間も旅行に出るのはドイツでは普通のことですか?」と
聞くことが出来ずにいます。
yorikoguma さん、コメントありがとうございました。
> 両親が2人の愛を確かめるために、子どもを置いて、2週間も旅行に出るのはドイツでは普通のことですか?
普通かどうかは分かりませんが、十分ありうると思います。
話が少しずれますが、少なくともアルプス以北のヨーロッパでは、子供も小さいうちから一人で寝かされるようですし。
近ごろの「家族」を扱ったドイツの子供映画は、たいていは親が片方いない設定になっています。そういう家庭が大多数ということはないと思いますが、多いことは多いのでしょうね。それを回避するためなら子供を置いてヴァカンスも、ということでしょうか。以前のエントリで書きましたが、ブーフ監督の『エーミールと探偵たち』などもまだでしたらぜひご覧になってみてください。