
かつてPeopleという今はなきパソ通の「ハーブガーデン」にポストしたリポート。
「仕事の関係で4ヶ月ほどヨーロッパにおりました。実は野生のハーブを見てくるというのが裏のテーマの一つでした。
「最初に一週間ほど、南フランスを回りました。駆け足でしたが、それでも野生のミント、タイム、フェンネル、マロウが確認できました。本当にみんな野草、ほとんど雑草なんですよね。マロウはそれこそどこにでも生えて、花を咲かせていました。フェンネルもあちこちで見かけました。細く分かれた葉先の一本一本が厚みと艶を持っていて、とても香りの高いものです。特にゆっくり見ることができたのは、F村のペトラルカ博物館の裏手の草地でした。
「こういう野生の植物を「庭」に整形してしまったのがイギリス人、狭いベランダで気候や土壌の違いに悪戦苦闘しながら一生懸命に栽培しているのが日本人ということなのでしょう。ベランダで必死に「栽培」しているのが馬鹿馬鹿しくなります。(もっとも、スイスのローザンヌの駅裏でも、窓辺に置かれた貧弱な料理用ハーブ一式みたいなプランターを目にしました。)
「南仏の名物ラヴェンダー畑は車でかなり入ったところから広がっていますが、6月初旬では残念ながら灰褐色のボサボサした株が並んでいるだけでした。
「かえって寒冷なはずのドイツの街中で、歩道に置かれた石造りのプランターにラヴェンダーやセイジが植え込まれているところが多く、そういうところのラヴェンダーは、5月末から6月でも、意外にも花をつけ始めていました。
「いずれにしても、われわれの多くがあれだけ苦労しているラヴェンダーが、あっけらかんと何の苦もなく元気に育っているのはくやしいというか羨ましいというか」
...現在では、日本の気候に適したラヴェンダーが多く出回るようになり、一般家庭で栽培するのは少しも難しくなくなった。でも1995年ごろ、日本で「ハーブ」がはやり始めたころは、ラヴェンダーを育てるのはとても難しく感じられたのだ。



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