オンラインウェアと呼ばれるソフトには、完全に無償で使ってくださいというものもあるし、定価を設定しているもの、任意の額を寄付してくれというものなど、いろいろあるが、その一つに「ポストカードウェア」がある。最近はあまり見かけなくなってきたような気もするが、旧 Mac OS 時代にはけっこうあった。ソフトを使って気に入ったら、自分の住んでいる町の絵はがきを送ってくれ、というものだ。いまやすべてはネット上で完結してしまうけれど、インターネットが普及し始めた初期のころは、送金には郵便を使うなんてことも普通だった。「ポストカードウェア」という形態は、そういう時代の産物だったと言えるかもしれない。(ポストカードウェアではないけれど、国際ファックスでシェアウェア登録したこともあった。ファックスでは解像度が低くて名前を誤読され、僕の登録名がTskuysになって返ってきた。どう読むのかは本人にも分からない。今は昔。)
しかしそういうソフトを使って、京都などの観光名所に住んででもいなければ、はて、自分の町の絵はがきねえ...と困ってしまって、結局何も送らなかった人も多いのではないか。これはおそらく町というもののありかたが日本とは根本的に異なっていることと繋がっている。(これは前に「地元紙」について書いたこととも関係する。)ヨーロッパの町は、歴史的にほんとうの意味で「自治体」であった場合が大半であり、多くの町に「観光案内所」があり(こんなところに「観光」するものなんて何かあるのか?という所でも)、それぞれの「町の絵はがき」が売られているのだ。大半が「上からの」線引きで割られ、下からの自治の歴史を持たない日本の市町村とは異なっている。
もちろん、このあたりの事情の古典的な参考書としては、増田四郎『都市』 ちくま文庫 が挙げられるだろう。
これはボンの絵はがき。垢抜けない古めかしいタイプだが、現在でも見られる。

この画像は、こちらから拝借した。ちなみに、上段左から、かつての宮殿である大学本館、ベートーヴェン像、旧市庁舎とマルクト広場、オペラハウス、下段左から、ベートーヴェンの生家、ライン川と遊覧船、ミュンスター教会。



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